街中に煙臭い匂い、道端に突如現れる燃えあがる炎、お線香とミカンをみると、今年もこの時期がやってきたかーと感じます。”この時期”とはハングリーゴーストの時期です!!
ハングリー・ゴースト・フェスティバルとは!?
中華系シンガポール人はハングリー・ゴースト・フェスティバルを毎年8月ごろに行い、お腹を空かせた死者の霊(ハングリー・ゴースト)がこの世をさまようと考えています。ご先祖様をこの世で丁寧におもてなしをする日本のお盆のような風習でしょうか。(おなじような時期ですしね)ハングリー・ゴーストは”鬼飢”とチャイニーズで書くようで、自分のご先祖さまのみでなく、身寄りのなく彷徨う霊の魂もおもてなしするようです。
開催時期は中国旧暦の7月から1ヶ月間にわたって行われます。2021年は8月8日から22日までだそうです。開催初日にはあの世の門が開き、お腹をすかせた霊たちが街をさまよいはじめます。
死者の霊はお腹がすいているので、無視をすればいたずらをするといわれており、いたずらをされないように、死者の霊におもてなしをします。住宅街のちょとした広場や道端に焚火用のスペースとお供物が置いてあるのを見かけたことはないでしょうか。この焚火スペースにお金や車、時計、ジュエリーなどを模した紙製のお供物を入れて燃やします。
ハングリー・ゴーストの時期にはスーパー・フェアプライスや地元のマートにはたくさんのハングリー・ゴーストグッツが販売されています。注目は紙製のお金です。よく見ると”The Hell Bank Corporation” ”あの世銀行”と書いてあります。霊たちは、あの世で安心してお金が使えますね!
通行人は置いてあるお供物を踏んではいけないので気をつけて歩きましょう。紙製のお供物が道端に散乱している事があるので注意してください。お供えものはお線香、オレンジ、蒸しパンをよく街で見かけますね。霊に食べ物を見つけてもらいやすくするために蝋燭に火を灯すようです。
ハングリーゴースト期間中にやってはいけないこと
ハングリーゴーストの期間中にやってはいけないと言われていることがいくつかあるようです。有名どころはこちら↓
- 水際に近づく
- 夜遅くまでの外出
- 引越し
- 結婚
- 旅行
- 普段見ないような虫を殺す
- 後ろから呼ばれても振り向かない
ゲダイ・中華系シンガポール人の盆踊り!?
ハングリーゴースト期間中には霊を楽しませるための”ゲタイ”(歌台)というショーがあり、HDBの下のイベントスペースなどででテントが設置され、歌やダンスなど賑やかなパフォーマンスが開催されます。日本の盆踊りみたいなイメージですかね〜
コロナ前はよくステージを見かけたのですが、去年と今年はコロナの規制のためオンライン・パフォーマンスになってしまったようです。
ハングリー・ゴースト余談
ハングリー・ゴースト 余談1
英語でハングリーゴーストを調べていると”Ghost from hell”(直訳すると、地獄からきた霊)と表現されていることが多く、ん?”地獄=悪いことをした人が落ちるところ”、ナゼ…?地獄からきた霊をもてなすの…?と疑問を持ちましたが、もしかしてHellは”地獄”という意味の他に”あの世”という意味があるのかのしれない!!と思い始めました。(違ったらごめんなさい)
ハングリー・ゴースト 余談2
初めてハングリーゴーストのお供えものをみた時は、焚き火用のドラム缶に火が!横にはお線香とみかんが置いてあり、何事かと思いました。その時は、たまたまドラム缶から火がボーボーでており、火事ではないかと思ったほどです。
今や、お供物をみると今年ももう8月かぁ…としみじみしてしまうようになりました!
ハングリー・ゴースト 参考URL
Visit Singapore ハングリー・ゴースト・フェスティバルケダイ Facebook ページハングリー・ゴースト・フェスティバルハングリー・ゴースト・フェスティバルの期間、中国系シンガポール人は、現世をさまよう魂を供養するため、食べ物やお金をお供えし、伝統演劇や音楽を奉納します。https://www.facebook.com/sggetaisupporter/